ものすごく余談なのですが、当社にはご依頼者様や弁護士事務所からのご紹介で多くの他県調査を手掛ける機会があります。「熊本本社の会社なのになぜ・・・？」と思われる方も多いかも知れません。しかしこれにはちゃんと訳があるのです・・・。
当社も実は数年前までほとんど熊本県や九州県内の仕事がメインでしたし、ごく稀に「対象者様の出張に一緒について行く程度（尾行）」でした。そんな当社がなぜここまで他県の調査を手掛ける事になったかと言うと・・・。
実話な為、詳細は割愛させて頂きますが以前調査した依頼者様のご家族がお仕事の都合で関東に転勤なさったとのお話をお手紙で頂いた事があったのです。嬉しい事にご依頼者様にお手紙を頂く機会が多い為、「お幸せそうで何より♪」位の話だったのですが、数年たったある日突然お電話を頂く機会に恵まれました。
「お久ぶりです。○○です、お元気ですか？」
「うわ～！お久しぶりです、元気です。●●（関東方面）にご栄転なさったんですってね。良かったですね！！」 「梅木さんのお陰で今は幸せにやっています。その節は本当にありがとうございました。」←（少し自慢）
「いえいえ、とんでもない。今日はどうされました・・・。」
「実は・・・。関東方面も調査なさるのかと思ってお電話してみました。」
「は？ご家庭は問題ないんでしょ？」
「私じゃないんです。こちらで親しくなった友人の事で・・・。」
「そういう事なんですね。なるほど！では信頼の於ける優良な業者さんをご紹介しましょう。」
「それが・・・、友人も随分色んな所に問い合わせしてみたらしいのですが地元の業者さんは料金が高くて全く手が出ないらしいんです・・・。だから私が友人に梅木さんの事をお話したら友人が是非紹介してくれって頼まれたんです・・・。」
「・・・ありがとうございます。しかし●●（関東）に出張調査となると宿泊費やなんかの経費がかかりますので料金的にも高くなると思いますが・・・。」
「そうですよね・・・。でも友人に自慢しちゃったものですからどうしても紹介してくれって・・・。」
「はぁ・・・・。ありがとうございます・・。」
正直、このご依頼者様の手前恥をかかす訳にもいかずお話を電話で伺う事になりました。せっかくのご期待に応えられないとの不安も過ぎりながら・・・。 「ご相談ありがとうございます。梅木と申します。どうぞ、宜しくお願い致します。」 「こちらこそ。早速ですが、○日間調査を行った場合おいくら位かかるのでしょうか？」 「そうですね。お話は伺っておりますので状況は把握しております。○日間の場合・・・（少し悩んで恐る恐る・・・）○○万円位かかります・・・。」 「え～！！！」 正直速攻で断られるかと思ったのですが・・・。 「即！調査をお願いします！」 「はい！？？」 「正直、こんなに料金が違うとは思いませんでした。友人（元のご依頼者様）に打ち明けて良かった～！」 何だか？？？という気持ちでした。正直な所、県外、しかも遠方の場合予測不能な事態に備え代表者である私が直接調査に出向きます。しかし事務所を私が空けなければいけないという事情もある為、（他のご依頼者様への対応等もある為）どうしても料金も割り増しになってしまうのです。しかしこのご依頼者様は「料金が全然違う」とおっしゃるのです。しかし詳細にお話を伺ってみると都会の料金と私の感覚に大きな違いがある事が分かりました・・・。
実際、料金的には一番安価なところでも当社の（宿泊費・航空券代・地下鉄代etc…を含んでも）当社の2倍弱、最も高額な所では当社の約3倍強の金額が設定されていました。通常、地元から県外に対象者が出かけるケースは別としても、県外の調査を手掛ける場合、その対象地区の探偵業者に依頼した方が価格的にも安価で済むと考える事が一般的です。しかしながらこの業界はその世間の「常識」も通用しないケースが確かに存在するのです。
・・・結局、私は調査員1名を連れ立ち出張して無事に証拠撮影に成功しました。あ、それからもうひとつ、その際にご依頼者様にもご協力頂き「航空券」「宿泊施設」「地下鉄の切符」等、考えうる諸経費についてはご依頼者様でご用意頂いた事を付け加えます。なぜなら、ご依頼者様ご自身で手配した方が対象現場付近の宿泊施設等にも詳しいし、何より少しでも安価な所を選んでいただく事で諸経費の大幅なコストダウンが図れたからです。当初の見積りよりも少し安価で調査・証拠収集出来た事でご依頼者様には大変喜んでいただけた調査でした。
話はこれだけに留まらず、後日この調査は調停になってしまいました。（悲）その際に担当してくれた弁護士の先生が「これ、どこの調査会社？」「熊本なの？なんで？」「え～！！そんなところまでやってくれたの？？」と色んな問答があった様子で（あくまで私の想像ですが・・・。）数ヵ月後、その弁護士事務所からご紹介を頂きました（嬉♪）実際、地方の弁護士事務所など忙しい弁護士の先生方は抱える案件を素早く決着させる為に「証拠物件」を重視されるみたいで、特に家事裁判等には絶大な効果を発揮させられるみたいです。その後少しづつ輪が広がっていき、今日の当社を支えて頂いているのです。
日本全国には3000件とも5000件とも言われる調査会社が存在します。現在、日本調査業協会はその実態把握に動いている最中です。粗悪な業者はさておき、もっと広い視野で色んな所を見ていけば、きっと安価で優良な調査会社があるはずです。賢明に悩み、探し出した業者が本当に信頼の於ける業者であれば、その会社を忘れないで下さい。そうすればきっと粗悪な業者は滅んで優良な業者だけが切磋琢磨して生き残れる時代が来るはずです。
